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 「がんばれ日本」について・・・その2

2005年4月14日

 4月12日、「がんばれ日本」の文字を含む登録商標を有していた「ドクター中松」こと中松義郎氏が、特許庁の審決取り消しを求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は、中松氏の上告を受理しない決定をしました。これにより、中松氏の請求を棄却した東京高裁の判決(平成16年11月30日判決)が確定しました。

 この問題が話題になったのは2年前です。中松氏が、「がんばれ日本」を含む商標の登録を取り消した最初の審決の取り消しを求めた裁判において、中松氏が勝訴し、JOC(財団法人日本オリンピック委員会)や協賛各社がキャンペーンのキャッチフレーズとして、ポスター等に「がんばれ!ニッポン!」を表示できないのではないか、との噂が広まり、平成15年10月30日に、日本弁理士会のホームページに、コメントを掲載いたしました。

 今回の判決の意義は、中松氏が主催する団体の「会報」に題号として、上段に「フオルッアジャパン」を小さく、下段に「がんばれ日本」を大きく表示し、且つ、その会報には「定価 100円」と記載されていたところ、その「会報」は、政治的・学術的活動等の宣伝、広告を兼ねたサービスの一環として無償で配布された「印刷物」にすぎず、市場において独立して商取引の対象として流通に供された物、即ち、「商品」ではない、と判断された点です。

 私の知る限り、定価を表示した会報の題号として使用された表示が、商品としての「印刷物」についての使用にあたらないと判断された、初めての判決です。

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